映画に感謝を捧ぐ! 「軽蔑(1963年版)」

映画感謝人GHMです。

 今回はジャン・リュック・ゴダール監督の「軽蔑(1963年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 アルベルト・モラヴィアの同名小説をもとにして作られた本作は

 神話性と大衆性を兼ね備えた愛憎劇であります。

 「夫婦関係の崩壊劇」という衣をまといながら

 人生の難解さ&不確実性を描くかのようなストーリー

(あえて「映画的ルールに固執しない」作りとなっている点も印象的です。)

 舞台劇風味漂う映像&純文学小説な的会話&名言の応酬

 過激でありながらも陽気な雰囲気を放つお色気シーン

 皮肉なまでに格調高い音楽が一堂に会する光景は

 私に「登場人物の内面を想像しながら映画を鑑賞する」機会と

 「人生」の神秘性&サスペンス性に触れる感覚をもたらしました。

 (自然美あふれる映像と「静かなる後味の悪さ」を共有する幕切れが

 人間社会の明暗を写し出している点も見逃せません。)

 まさに「壮大にして芸術的な夫婦喧嘩」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 

 映画としては少なめの登場人物&舞台であるにもかかわらず

 精神的スケール感を感じさせる本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。