映画に感謝を捧ぐ! 「ブラックホーク・ダウン」
映画感謝人GHMです。
今回はリドリー・スコット監督の「ブラックホーク・ダウン」に
感謝を捧げようと思います。
マーク・ボウデンの著書「ブラックホーク・ダウン―アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録,」を
もとにして作られた本作は
実話系戦争映画史上屈指の「迫力と残虐性」を持った作品であります。
複雑怪奇なソマリア事情と米軍首脳部の自信過剰によって
もたらされた「戦」を
アクション風味とホラー風味を融合させた戦闘シーン
終始「アメリカ目線」に徹し続けたストーリー
(「個別の状況は容易に理解でき留蛾、全体の状況は理解しづらい」作劇法によって
「近代戦争の構図」を世に示している点も見逃せません。)
H・ジマーの軽妙にして神秘的な音楽
個性を最小限度にとどめる事によって「戦争における個人の立場」を
体現したキャラクターを駆使することによって描くという試みは
私に「戦争によって視野を狭められ、目先の状況のみを重視する人間となる」事の恐怖と
「映画的手法による暴力のエンターテインメント化」が極限に達する光景を
目の当たりにする時間をもたらしました。
本作こそ「アメリカ礼賛の鎧を身にまといながら、アメリカの「潜在的悪」を写し出してしまった」
脅威の戦争映画であると言えるでしょう。
J・ブラッカイマー制作&R・スコット監督という
ありそうでなかった組み合わせがもたらす化学反応によって
「作り手の意図を超えて暴走するメッセージ性」を宿してしまった本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。