映画に感謝を捧ぐ! 「キラー・インサイド・ミー」

 映画感謝人GHMです。

 今回はマイケル・ウィンターボトム監督の「キラー・インサイド・ミー」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 ジム・トンプスンの小説「おれの中の殺し屋」を

 もとにして作られた本作は

 娯楽精神と実験精神が奇妙な形で共存する作品であります。

 「凶悪な犯罪をエンターテインメント化する」とい娯楽屋の宿命と

 「小説の手法を用いて異常心理サスペンス映画を作る」という映画的実験が

 一体となる光景は

 私に「ミステリーとは異なるスリル」と「どんでん返しとは異なる意外性」に

 満ちあふれた時間をもたらしました。

 (勧善懲悪性よりも文学性を重視したかのような幕切れがもたらす

 背徳的な美も見逃せません。)

 まさに「純文学小説的犯罪映画」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 説明台詞を多用しているにもかかわらず

 

 「鑑賞者に考える余地を与える」文学精神を保ち続けるという離れ業に挑んだ本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。