映画に感謝を捧ぐ! 「魚が出てきた日」
映画感謝人GHMです。
今回はマイケル・カコヤニス監督の「魚が出てきた日」に
感謝を捧げようと思います。
1966年に発生した「パロマレス米軍機墜落事故」を
もとにして作られた本作は
脳天気さと残酷さが奇妙な形で調和した異色作であります。
「爆撃機の墜落」がもたらした危機的状況を
ミュージカル映画・ドタバタ喜劇・観光旅行映画を融合させたかのような表現法で描くという
大胆にしてユーモラスな挑戦は
私に「残酷劇と滑稽劇が紙一重の位置にある」事と
「説教臭を感じさせることなく社会に警鐘を放つ」技巧の醍醐味を
体感する機会をもたらしました。
(「結論を明瞭にしない+明るい雰囲気を残しておく」ことによって
想像力をかき立てる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「道化型反核映画」の称号にふさわしい作品であると言えるでしょう。
1964年の映画「博士の異常な愛情」とは異なる目線と感性で
現代にも通じる「潜在的脅威」を世に示した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。