映画に感謝を捧ぐ! 「仕立て屋の恋」

映画感謝人GHMです。

 今回はパトリス・ルコント監督の「仕立て屋の恋」に

 感謝を捧げようと思います。

 

ジョルジュ・シムノンの小説「仕立屋の恋」を

 もとにして作られた映画の2作目となる本作は

 文学性と変態性が交錯する恋愛映画であります。

 孤独な仕立て屋が抱く「不器用な愛」を

 サスペンス風味と覗き趣味を融合させたかのような映像表現

 格調高い音楽・純粋善なきキャラクター

 舞台劇的なセリフ&演技を駆使して描くという試みは

 私に「純愛悲劇」の持つ可能性の深さと

 愛と残酷さが紙一重の位置に存在することを示してくれました。

 (「残忍でありながらも美しいアンハッピー・エンド」と呼びたくなるような幕切れが

 作品の文学性を高めている点も見逃せません。)

 まさに「文学的恋愛映画」の一形態を世に示した作品であると言えるでしょう。

純愛とエロティシズムが奇妙な形で共存する本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。