映画に感謝を捧ぐ! 「終電車」
映画感謝人GHMです。
今回はフランソワ・トリュフォー監督の「終電車」に
感謝を捧げようと思います。
1942年~44年のパリにおいて
舞台劇の世界に生きる人々の姿を描いた本作は
ヨーロッパ的華麗さと苦味を兼ね備えた舞台裏映画であります。
ナチス・ドイツの圧政に苦しめられながらも
愛・役者&裏方魂・ユーモア精神を失うまいとする人々の姿を
スター映画的な華やかさと現実感のバランス感覚を保ちながら描くという試みは
私に「メロドラマ・歴史劇・ショー・ビジネスの舞台裏を同時に鑑賞する感覚」をもたらしました。
(「悲劇から心和むハッピー・エンドに転じる」変化球的な幕切れが
作品のユーモア性を高めている点も見逃せません。)
まさに「舞台・純文学小説・映画の持ち味が集結した」恋愛劇であると言えるでしょう。
政治的メッセージや戦争場面をほとんど用いることなく
戦争と人種差別の残酷さ・愛の強さを写し出した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。