映画に感謝を捧ぐ! 「バスケットケース」

映画感謝人GHMです。

 今回はフランク・ヘネンロッター監督の「バスケットケース」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 バスケットケースを抱えながらニューヨークへとやってきた男の

 数奇な運命を描いた本作は

 凶暴性と哀愁に満ちたモンスター映画であります。

 壮絶なる人体破壊描写&胡散臭さあふれるキャラクター・デザインと

 「異形の存在」を一方的に廃しようとする現代社会に警鐘を放つかのような

 ストーリーが一体となる光景は

 私に、ホラー映画が「表面的イメージで物事を判断することの愚かしさ」・「命の尊さ」を

 世に訴える作品となりうることを示してくれました。

 (残酷趣味的な空気の中に「絆の尊さ」を宿した終幕が

 本作に「文学性」を与えている点も見逃せません。)

 まさに「美しくも凶悪なホラー悲劇」と呼ぶにふさわしい

 作品であると言えるでしょう。

 不器用な純愛と静かなる怒り&悲しみによって「モンスター・ホラー」の枠を超えた輝きを放つ本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。