映画に感謝を捧ぐ! 「黒水仙(1947年版)」
映画感謝人GHMです。
今回はマイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー監督の「黒水仙(1947年版)」に
感謝を捧げようと思います。
デボラ・カーサブーゴッデン(ルーマー・ゴッデン)の同名小説を
もとにして作られた本作は
人間論と愛憎劇が交錯する作品であります。
異なる精神・価値観を持つ人々が共に生きることによって生じる「変化」を
万事解決のハッピー・エンドに逃避せず、現実の闇を受け止める文学精神と
ヒロイン映画としての風味を保ち続けようとする娯楽精神のバランス感覚を保ちながら
描くという試みは
私に、対照的要素の融合による「映画的化学反応」の醍醐味と
「神の領域と俗の領域の関係」について考えさせられる状況をもたらしました。
本作こそ「宗教映画とメロドラマのせめぎ合い」を映像化した
作品であると言えるでしょう。
過激な暴力描写・性描写をほとんど用いることなく
「壮絶なる愛と憎悪」を感じさせることを可能にした本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。