映画に感謝を捧ぐ! 「ファイナル・カット(2004年版)」

 映画感謝人GHMです。

 今回はオマール・ナイーム監督の「ファイナル・カット(2004年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 人間の記憶を(編集)することを生業とする男の

 運命を描いた本作は

 人間の「本能的欲求」の一端を写し出したSF映画であります。

 驚異的な発展を遂げるテクノロジー

 倫理の枠を超えて暴走する「身内びいき」が融合することによって生じる恐怖と欺瞞を

 主観映像・分割映像を操ることによって表現しようという試みは

 私に「人間の欲求&好奇心が科学を発展させる」と言う歴史的事実と

 「人間は真実よりも自分に都合の良い情報を求める」という心理的暗部を

 目の当たりにする時間をもたらしました。

 (竜頭蛇尾的な結末が「大量の謎をばらまくことによって鑑賞者を引きつけたい」という

 作劇的欲求に対する警鐘となっている点も見逃せません。)

 まさに「技巧派教訓劇」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 人生のドラマ性と映像テクノロジーの飛躍的発展が

 奇妙な形でつながることによって生を受けた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。