映画に感謝を捧ぐ! 「クロエ(2009年版)」
映画感謝人GHMです。
今回はアトム・エゴヤン監督の「クロエ(2009年版)」に
感謝を捧げようと思います。
2003年の映画「恍惚」の再映画化作品となる本作は
背徳的エロティシズムと皮肉に満ちた愛憎劇であります。
愛と猜疑心によってもたらされた人間関係の創造と破壊を
サスペンス風味とラブ・ロマンス風味を融合させながら描くという試みは
私に「人間関係における信頼・相互理解・自制心の大切さ」と
「恋愛劇と陰謀劇が紙一重の位置にいること」を体感する機会をもたらしました。
(愛憎劇の定番要素を逆手に取ったかのような「夫婦関係」を形成している点や
「アメリカ流ハッピー・エンド」の衣をまといながら
ヨーロッパ映画ならではの不明瞭さを残す幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「変化球的不倫映画」の称号にふさわしい作品であると言えるでしょう。
複雑に絡み合う男女関係を通じて
人心に潜む「罪の種子」をえぐり出した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。