映画に感謝を捧ぐ! 「リリス(1964年版)」

 映画感謝人GHMです。

  

 今回はロバート・ロッセン監督の「リリス(1964年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 J・R・サマランカの同名小説をもとにして作られた本作は

 純情と狂気が交錯する、異色の恋愛映画であります。

 青春映画風味の男性・ハードボイルド風味の悪女

 2人を取り巻く人々による奇妙な物語を

 ロマンス・ファンタジー・怪奇恐怖を融合させたかのような

 演出法で表現するという試みは

 私に、環境が人間に与える影響・異常心理の伝染性

 恋愛劇と心理恐怖劇の類似性について

 再認識する機会をもたらしました。

 (「ニューシネマ」の到来を予見するかのような

 意地悪さの利いた終幕も見逃せません。)

 まさに「陰性恋愛映画界」の静かなる強豪と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 過激な映像表現をほとんど用いることなく

 

 背徳の愛を映像化する事を可能にした本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。