映画に感謝を捧ぐ! 「リリス(1964年版)」
映画感謝人GHMです。
感謝を捧げようと思います。
J・R・サマランカの同名小説をもとにして作られた本作は
純情と狂気が交錯する、異色の恋愛映画であります。
青春映画風味の男性・ハードボイルド風味の悪女
2人を取り巻く人々による奇妙な物語を
ロマンス・ファンタジー・怪奇恐怖を融合させたかのような
演出法で表現するという試みは
私に、環境が人間に与える影響・異常心理の伝染性
恋愛劇と心理恐怖劇の類似性について
再認識する機会をもたらしました。
(「ニューシネマ」の到来を予見するかのような
意地悪さの利いた終幕も見逃せません。)
まさに「陰性恋愛映画界」の静かなる強豪と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
過激な映像表現をほとんど用いることなく
背徳の愛を映像化する事を可能にした本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。