映画に感謝を捧ぐ! 「コックと泥棒、その妻と愛人」

映画感謝人GHMです。

 今回はピーター・グリーナウェイ監督の「コックと泥棒、その妻と愛人」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 レストランを経営する"親分"一家と彼らを取り巻く人々の

 10日間を描いた本作は

 人間の心に潜む「獣」を意地悪く皮肉った過激作であります。

 舞台劇のような映像表現・上品な衣装・舞台・小道具

 残忍凶暴でありながら文学的な雰囲気に包まれた登場人物

 人間の欲望と暴力性が一堂に会したかのようなストーリーが一体となる光景は

 私に「物質的成功と精神的成熟の間にある溝の深さ」と

 人間が人生の中で犯しうる「罪」の数々とその報いを

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「ホラー映画的状況でありながら格調高い」決着の付け方となっている点も見逃せません。)

 まさに「凶暴なる人間論」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 純文学性と俗物性が奇妙な形で共存する本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。