映画に感謝を捧ぐ! 「ダークナイト(2008年版)」

映画感謝人GHMです。

 今回はクリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト(2008年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 DCコミックスの人気ヒーロー「バッドマン」をもとにして作られた

 実写映画の8作目となる本作は

 哲学性とヒーロー精神が恐るべき形で混ざり合った

 異色のコミック・ムービーであります。

 正義と悪の境目・ヒーローと悪役をつなぐ縁・正義を行う人間に科せられた呪いという

 コミック・ムービーの禁忌をえぐり出す挑戦的なストーリー

 ダークな色彩でありながらもコミック的豪快感にあふれたメカ&アクション・シーンの数々

 「妖しげな二枚目」オーラーを放つ主演男優C・ベイルの勇姿

 不気味でありながらもユーモラスな外見&愉快犯と宗教者を兼ね備えたかのような

 悪行ぶりが冴え渡る敵将「ジョーカー」に扮したH・レジャーのモンスター的怪演

 勇壮でありながらも不気味さを感じさせる音楽が一体となる光景は

 私に「コミック・ムービー」の持つ可能性と

 「正義は情勢&境遇によっていかようにも変化する」という残酷な真実の一端に

 触れる機会をもたらしました。

 (架空の町を舞台にしているにもかかわらず現代社会にも通じるテーマに触れている点

 破壊力あるアクションと「敵をなかなか殺さないヒーロー」をいう対照的な要素を

 違和感なく共存している点

 「ヒーローは人々の希望によって生成される」という定義を残酷極まる形で示した幕切れが

 作品の爽快感と苦味をより強固なものにしている点も見逃せません。)

 まさに「純文学系コミック・ムービー」の称号にふさわしい作品であると言えるでしょう。

 娯楽性を保ちながら「勧善懲悪作品が意図的に避けてきた部分」に触れる事によって

 コミック・ムービーの新境地を開いた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。