映画に感謝を捧ぐ! 「シーバース」
映画感謝人GHMです。
今回はデヴィッド・クローネンバーグ監督の「シーバース」に
感謝を捧げようと思います。
高層マンションの住人たちを襲う寄生生物の脅威を描いた本作は
変態性と知性が奇妙な形で共存する作品であります。
過激でありながらもユーモラスな性描写&人体破壊描写と
ウイルス感染映画とホラー映画を融合させたかのような設定に
「段階的に危機を高めていく手法」と
「理詰めの説明」を加えることによって
説得力のある物語へと進化したストーリーが一体となる光景は
私にホラー映画&SF映画における
「論理性・荒唐無稽性・凶暴性のバランス感覚を保つこと」の重要性を
体感する機会をもたらしました。
(「医学的説得力のある外見」と「生物的本能重視の行動原理」を
兼ね備えたモンスター造形や
破滅的状況をクールに表現する終幕が
それまでの残酷描写とは異なる「残酷さ」を放っている点も見逃せません。)
まさに「医学的&心理学的SFホラー」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
「人間の殺傷を目的としていない」にもかかわらず
猟奇殺人犯や怪獣をもしのぐほどの凶悪性を誇るモンスターの奮闘ぶりが印象深い本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。