映画に感謝を捧ぐ! 「マウス・オブ・マッドネス」

  映画感謝人GHMです。

 今回はジョン・カーペンター監督の「マウス・オブ・マッドネス」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 失踪した怪奇作家の捜索を依頼された

 保険調査員の運命を描いた本作は

 多種多様な解釈を可能にする

 脅威のホラー映画であります。

 作り手の意志を超越する力を手にした「物語」によって

 虚構と現実の境目が揺らいでいく光景を

 ホラー映画的表現法の限りを尽くして映像化するという試みは

 私に「人間の想像力&信心」に秘められた危険性と

 精神&信仰心に関する一考察をエンターテインメント化する技法を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「同一の映像を複数回流す」手法が効果的に用いられている点や

 殺人以上の残酷さをもって「虚構が新たなる現実となった」ことを示す

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに、モンスター映画風「残酷童話」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 「大衆食堂風味」漂う映像と

 「過度の状況説明によって神秘性を失う」事なく進行するストーリーが

 絶妙のバランスで共存する本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。