映画に感謝を捧ぐ! 「ザルツブルグ・コネクション」

 映画感謝人GHMです。

 今回はリー・H・カッツィン監督の「ザルツブルグ・コネクション」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 ヘレン・マッキネスの同名小説をもとにして作られた本作は

 「ご当地映画」の一形態を示した作品であります。

 巻き込まれサスペンスとスパイ映画の方程式に沿った物語に

 第2次大戦の暗部・1970年代の国際情勢・オーストリアの持ち味を

 融合させる事によって1本のスパイ映画を生成しようという試みは

 私に、スパイ映画における「時事性・地域性」の重要さを

 再認識する機会をもたらしました。

 (スター性を抑えた俳優&女優陣と

 特殊効果を最小限度にとどめた現実的アクション・シーンが

 浮世離れした状況に現実感を与えている点も見逃せません。)

 まさに「巻き込まれ系スパイ映画の教科書」と呼びたくなる

 作品であると言えるでしょう。

 巨額の制作費・豪華スター・映像テクノロジーに依存せず

 外国語による会話と地形効果によって

 「スケール感」を生み出す精神に心打たれる本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。