映画に感謝を捧ぐ! 「ベルリン・天使の詩」

映画感謝人GHMです。

 今回はヴィム・ヴェンダース監督の「ベルリン・天使の詩」に

 感謝を捧げようと思います。

 

人知れずベルリンをさすらい続ける「天使」の運命を描いた本作は

 文学性・技術力・人情がバランス良く配合された実験的作品であります。

 「心情を台詞化する」手法を多用しながら説明過多に陥らぬよう配慮されたストーリー

 移動感のある動きと色彩によって「台詞」以上に物語を語る映像

 浮世離れした物語に「生活感」を与える俳優・女優陣の「静かなる名演」が

 一体となる光景は

 私に「鑑賞者の域を超えて主人公と視線を共有する」境遇と

 「純文学的手法と娯楽映画的手法」の幸福な結婚の形を

 体感する機会をもたらしました。

 (状況説明に依存せず、「作品世界のルール」を段階的に示していく手法が

 自然な形で用いられている点や

 P・フォーク氏の「娯楽史における功績」を変化球的に活用することによって生じる

 「マニア的でありながらも心温まるユーモア」も見逃せません。)

 まさに「精神的道中映画」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 「旅・コミュニケーション・映画愛」を重んじるW・ヴェンダース監督が

 人生の通過儀礼をファンタジー&人情劇風味で描いた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。