映画に感謝を捧ぐ! 「M」

映画感謝人GHMです。

 今回はフリッツ・ラング監督の「M」に

 

 感謝を捧げようと思います。

 

 少女連続殺人事件にかかわる人々の運命を描いた本作は

 驚異的な「先見性」を持ったサスペンス映画であります。

 1931年の段階で「異常心理による殺人」・「犯罪の間接被害」

 「情報過多と恐怖心理による社会的混乱」

 「共通の目的を持ちながら相容れぬ2つの勢力」・「説得力のある科学捜査描写」

 「正義漢と法治主義の複雑な関係」・「勧善懲悪精神に宿る暴力性」に

 着目したストーリーと

 光・影・サイレント的技法を駆使することによって

 殺人場面&死体を写すことなく「連続殺人の恐怖」を表現することを可能にした演出法が

 一体となる光景は

 私に「実録のリアルさ・娯楽的スリル・社会派的メッセージ」が

 驚異的なバランス感覚によって融合する事によって生じる映画的化学反応を

 示してくれました。

 (「追われる身」となった犯人の状況を丹念に描写することによって

 「ホラー映画的恐怖」を生み出している点や

 勧善懲悪的でありながらも後味の悪い幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「異常心理犯罪映画」の教科書と呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。

 派手なアクションや過激な残酷描写に依存することなく

 緊迫感と猟奇的ムードを生成する本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。