映画に感謝を捧ぐ! 「最後の億萬長者」
映画感謝人GHMです。
今回はルネ・クレール監督の「最後の億萬長者」に
感謝を捧げようと思います。
海沿いの王国「カジナリオ」で繰り広げられる珍騒動を描いた本作は
硬軟がバランス良く配合された政治喜劇であります。
品格と華やかさを犠牲にすることなく
独裁制への警鐘とコント的な笑いを違和感なく融合させる事を可能にした
スタッフ・キャスト陣の技術力・知力・平衡感覚は
私に、シリアスとコメディが最高の相性で結ばれる光景と
説教に走ることなく社会派的メッセージを放つ妙技を堪能する時間を
もたらしました。
(「言葉の魔力」を意地悪く活用した報道シーンや
危機的状況をユーモラスに表現した終幕が
作品のメッセージ性&コメディ性と見事に合致している点も見逃せません。)
まさに「面白まじめ系ドタバタ喜劇」の雄と呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。
豪華絢爛且つコミカルな動きで「国家による情報統制」等の
現代にも通じる社会問題をえぐり出す姿に
笑いと驚きを禁じ得ない本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。