映画に感謝を捧ぐ! 「虚栄のかがり火」
映画感謝人GHMです。
今回はブライアン・デ・パルマ監督の「虚栄のかがり火」に
感謝を捧げようと思います。
トム・ウルフの同名小説をもとにして作られた本作は
複数の皮肉に彩られた喜劇映画であります。
残酷喜劇と人情喜劇の間を渡り歩くかのようなストーリー
喜劇的題材であっても「サスペンス映像技」を貫くB・デ・パルマ監督の精神
個性に反する役柄であるにもかかわらず奮闘する主演男優T・ハンクスの勇姿
場違いなまでに格調高い音楽が一体となる光景は
私に「文学的題材を大衆向きの作品に加工しようとする」娯楽映画業界の本能と
「他人の不運に便乗して富・権力・快楽を得ようする」人間社会に対する
皮肉の刃に触れる機会をもたらしました。
ある意味本作は「作り手の意図を超えた風刺性を宿してしまった」
作品であると言えるでしょう。
B・デ・パルマ監督+喜劇という奇妙な取り合わせが
商業的成功と作家精神の壮絶なせめぎ合いと
システムの暴走が生み出す混沌を写し出した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。