映画に感謝を捧ぐ! 「死霊のしたたり」

 映画感謝人GHMです。

 今回はスチュワート・ゴードン監督の「死霊のしたたり」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの小説

 「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」をもとにして作られた本作は

 ホラー映画界最大級の凶悪性を誇る怪作であります。

 即物的な残酷描写の連打

 人間の生死・倫理を冒涜し尽くすかのような展開が

 時間と共に「凶暴な笑い」へとつながっていくストーリー

 普通の人間という設定であるにもかかわらず

 モンスター以上の「怪物性」を持ったキャラクター

 不快と不安をかき立て続ける音楽が一体となる光景は

 

 私に「怪奇恐怖とブラック・ユーモアの近似性」と

 科学者の本能と死と隣り合わせの日常が

 歪んだ形で融合することによって生まれる「悪魔」の存在を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (原題と無関係であるにもかかわらず、作品の空気を的確に捉えた

 邦題が与えられている点も見逃せません。)

 まさに「冒涜的な魂・我々の感覚とは異なる芸術性・1980年代の気風」が

 合体することによって生を受けた「偉大なるゲテモノ映画」であると言えるでしょう。

 他のホラー映画とは異なる混沌と狂気に支配された本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。