映画に感謝を捧ぐ! 「死霊のしたたり」
映画感謝人GHMです。
今回はスチュワート・ゴードン監督の「死霊のしたたり」に
感謝を捧げようと思います。
「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」をもとにして作られた本作は
ホラー映画界最大級の凶悪性を誇る怪作であります。
即物的な残酷描写の連打
人間の生死・倫理を冒涜し尽くすかのような展開が
時間と共に「凶暴な笑い」へとつながっていくストーリー
普通の人間という設定であるにもかかわらず
モンスター以上の「怪物性」を持ったキャラクター
不快と不安をかき立て続ける音楽が一体となる光景は
私に「怪奇恐怖とブラック・ユーモアの近似性」と
科学者の本能と死と隣り合わせの日常が
歪んだ形で融合することによって生まれる「悪魔」の存在を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(原題と無関係であるにもかかわらず、作品の空気を的確に捉えた
邦題が与えられている点も見逃せません。)
まさに「冒涜的な魂・我々の感覚とは異なる芸術性・1980年代の気風」が
合体することによって生を受けた「偉大なるゲテモノ映画」であると言えるでしょう。
他のホラー映画とは異なる混沌と狂気に支配された本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。