映画に感謝を捧ぐ! 「13F」
映画感謝人GHMです。
今回はジョセフ・ラズナック監督の「13F」に
感謝を捧げようと思います。
ダニエル・ガロリーの小説「模造世界」をもとにして作られた本作は
人間の「潜在的不安&暴力性」を娯楽映画的に表現した作品であります。
現実と仮想現実が混ざり合う複雑怪奇なストーリーを
科学技術を文化史的情報を駆使して作られた舞台&小道具と
サスペンス的表現法によって「エンターテインメント系SF」へと変換させていく手法は
私に「犯罪の謎解き・時間旅行・人間論が一体となる光景」を目の当たりにする機会を
もたらしました。
(「暗めの色彩」によって登場人物を見えづらくする手法が
作品のメッセージ性と神秘性を高める効果を発揮している点も見逃せません。)
まさに「外見以上の哲学性&心理学性を持った」SF映画と呼びたくなる
作品であると言えるでしょう。
「どんでん返し系SF映画」の仮面を被りながら
人間の「人間以外の存在に対する不寛容さ」と
「自己の存在に対する不安感」をえぐり出した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。