映画に感謝を捧ぐ! 「ミス・ブロディの青春」
映画感謝人GHMです。
今回はロナルド・ニーム監督の「ミス・ブロディの青春」に
感謝を捧げようと思います。
ミリュエル・スパークの同名小説をもとにして作られた本作は
少女漫画・メロドラマ・社会派のエッセンスが
融合することによって生まれた異色作であります。
「保守系女子校」の華やかにして危険な日常を通じて
カリスマ的リーダーの危険性・ファシズムの放つ「甘美な罠」
変化を説きながら変化を恐れる人間心理・情報統制の恐怖を
世に示すという試みは
私に、空間的制約によって広がる精神的スケール感
心理戦のスリル・教育論が奇妙なバランスで共存する光景を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(主演女優M・スミスの「人間の多面性を体現する」熱演ぶりや
「意図的に結論を曖昧化することによって、想像力をかき立てる」幕切れを選択している点も
見逃せません。)
まさに、「美しくも恐ろしい陰性青春映画」と
呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。
過度の変革主義に精神を蝕まれた女性教師と
純粋すぎる少女たちとの「交流」がもたらした悲劇と成長を
60年代的価値観と70年代的価値観の間に立った目線で描いた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。