映画に感謝を捧ぐ! 「大地のうた」
映画感謝人GHMです。
今回はサタジット・レイ監督の「大地のうた」に
感謝を捧げようと思います。
1955年~59年にかけて作られた「オプー3部作」の
幕開けとなる本作は
神秘性と現実感を兼ね備えた強豪作であります。
山村の日常風景の中に「人生」を凝縮したストーリー
白黒とは思えないほどの「色と空気」を感じさせる映像
全身全霊から「生活感」を放つ登場人物
(特に、夫婦・姉弟の関係が
「男女の思考的相違点」の象徴となっている点が印象的です。)
上長と品格に満ちあふれた音楽が一体となる光景は
私に「インド文化」の一端に触れる機会と
空間的制約によって「心的宇宙」が広がっていく感覚を
同時体験する機会をもたらしました。
(「台詞による状況説明」を最小限度にとどめることによって
「登場人物の思い」が台詞以上の説得力を持って伝わってくる
作品となっている点や
「現実を受け入れつつ、現実を超えようと願う」幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「家族劇の衣を纏った東洋哲学」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
実録の説得力・文学的な壮大さ・厳しい人生訓
貧窮と悲劇の中にあっても情と希望を失わない精神力が融合することによって
映画史に残る3部作の幕を開いた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。