映画に感謝を捧ぐ! 「ビッグ・ボス」

映画感謝人GHMです。

 今回はスティーブ・カーヴァー監督の「ビッグ・ボス」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 禁酒法時代のNYを裏で操った犯罪組織の首領

 アル・カポネの生涯をもとにして作られた本作は

 娯楽的軽快さと豪華絢爛さが同居する実話系映画であります。

 「時代の潮流に乗る・暴力とお色気を前面に押し出す・要所以外は巧妙に手を抜く」

 R・コーマン流映画技法と

 禁酒法時代のアメリカを覆う「腐敗の構造」が

 奇妙なバランスで融合する事によって生じる「娯楽的化学反応」は

 私に「予算・テクノロジーよりも知恵で勝負する」映画作りの魅力と

 「少ない予算で大作感のある映像を生み出す」妙技を

 同時体験する機会をもたらしました。

 (後年作とは一味違う「怪しげな魅力」に満ちたS・スタローンの勇姿や

 勧善懲悪劇とは異なる形で

 「暴力と犯罪によって得た成功の空しさ」を示した幕切れも

 見逃せません。)

 まさに、大衆食堂風味あふれる「実話系極道映画」であると言えるでしょう。

 「ゴッドファーザー」・「スティング」の恩恵を有効活用する貪欲さ&眼力と

 「一般大衆の好奇心&本能を刺激する」事に全力を注ぐサービス精神が

 史実との差や論理性を超越するほどの感動を呼び起こす本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。