映画に感謝を捧ぐ! 「少年と犬」

映画感謝人GHMです。

 今回はL・Q・ジョーンズ監督の「少年と犬」に

 感謝を捧げようと思います。

 ハーラン・エリスンの同名小説をもとにして作られた本作は

 SF映画史上屈指の「つかみ所のなさ」を誇る怪作であります。

 SF・西部劇・冒険活劇・社会風刺を合体させ

 ブラック・ユーモア的に料理する事によって作られた

 

 俗人臭と哲学性が奇妙なバランスで混ざり合ったストーリーと

 各種映画要素を総動員させたかのような演出が一体となる光景は

 私に「先読み困難な状況」と「人間性に対する痛烈な皮肉」を

 体感する機会をもたらしました。

 (「好感を持ちやすい人間がほとんどいない」という大胆なキャラクター造形や

 和やかさと残酷さを兼ね備えた大胆不敵な幕切れが

 作品の味わいを高めている点も見逃せません。)

 まさに「変化球系近未来SF映画」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 「野性的な人間と知的な犬のコンビ」という逆転の発想と

 人間性を荒廃させる要素をことごとく網羅する観察眼によって

 後年のSF映画に対する「道しるべ」の1つとなった本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。