映画に感謝を捧ぐ! 「パニック/脳壞」
映画感謝人GHMです。
今回はヘンリー・ブロメル監督の「パニック/脳壞」に
感謝を捧げようと思います。
仕事上のストレスからセラピスト通いを始めた
殺し屋の運命を描いた本作は
精神面に重きを置いた殺し屋映画であります。
殺し屋映画特有のスリル&サスペンスに背を向けて
家業と人情の間で葛藤する人間心理と
犯罪ビジネスを維持するための構造が家庭環境に与えるダメージに
重きを置いた殺し屋映画を作るという発想と
派手なアクション・シーン&残酷描写・感動誘発描写に依存しない
クールな演出法が一体となる光景は
私に「殺し屋映画の持つ可能性の大きさ」と
「血塗られた世界を生きる人間の末路」について思いをはせる機会をもたらしました。
(主演男優W・H・メイシーの「自己の特性を生かした怪演」と
悲劇的でありながらも人情を感じさせる幕切れが
作品のメッセージ性を高めている点も見逃せません。)
まさに「ホームドラマ系犯罪サスペンス界」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。
「ストレス時代」と化した1990~2000年代
人類が抱える宿題の1つ「世代間の溝」
極道映画の1形態が融合することによって生を受けた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。