映画に感謝を捧ぐ! 「コックファイター」

映画感謝人GHMです。

 今回はモンテ・ヘルマン監督の「コックファイター」に

 感謝を捧げようと思います。

 

  チャールズ・ウィルフォードの同名小説をもとにして作られた本作は

 奇抜な発想とクールな作劇法が印象的な作品であります。

 「闘鶏」を映画の題材にするというアイデア

 スポーツ映画と道中映画を融合させ、変化球的に加工したかのようなストーリー

 

 娯楽的盛り上げを徹底的に抑制した演出法

 闘いのスリルよりも「生々しき暴力」を感じさせる闘鶏アクション

 

 西部劇風味あふれる舞台&キャラクター

 主演男優W・オーツの静かなる怪演ぶりが一体となる光景は

 私に「大衆娯楽性と文学性が奇妙なバランスで共存する世界」を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (王道的ハッピー・エンドでありながらも複雑な後味を残す

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「スポーツ映画界最大級の異色作」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 映画全体を覆う「つかみ所のなさ」が

 人生の神秘性と闘いに生きる人間の孤独と狂気を写し出す本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。