映画に感謝を捧ぐ! 「追想(1975年版)

 映画感謝人GHMです。

 今回はロベール・アンリコ監督の「追想(1975年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 ドイツ軍によって妻子を殺害された医師の

 孤独な闘いを描いた本作は

 詩情と残虐さが奇妙なバランスで共存する復讐映画であります。

 自然美+恋愛劇&家族劇風味の場面と

 「戦争の残酷さ」を体現した光景&ぎこちなくも凶暴なアクション・シーンを

 

 交互に写す事によってもたらされる「映画的化学反応」は

 私に、愛が「暴力を誘発する要素」となる光景と

 「復讐は狂気&現実逃避の1形態である」という残酷な真理を

 目の当たりにさせられる機会をもたらしました。

 (主演男優F・ノワレの「庶民的風貌」・場違いなまでにロマンテックな音楽

 ハッピー・エンドでありながらも苦い後味を残す幕切れが

 作品の重厚感&説得力を高めている点も見逃せません。)

 まさに「文学的復讐劇」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 作り手の「戦争体験」を反映させた戦闘場面と

 愛と復讐をひねりの利いた目線で描いたストーリー&演出によって

 人間の心に潜む「殺戮者」を抑制する作品&愛の暗部を

 白日の下にさらけだす作品となった本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。