映画に感謝を捧ぐ! 「処刑教室(2008年版)」」
映画感謝人GHMです。
今回はブレット・サイモン監督の「処刑教室(2008年版)」に
感謝を捧げようと思います。
高校において発生した「答案用紙盗難事件」の真相に迫る
新聞部員の運命を描いた本作は
学園サスペンス史上最大級のリスクを背負った挑戦作であります。
サスペンスを盛り上げる原動力「殺人」を用いることなく
犯罪捜査映画を作ろうという発想と
青春映画演出とサスペンス演出を融合させつつ
過激な描写を抑制する演出法が一体となる光景は
私に「高校」という閉鎖空間が大人社会の暗部を写し出す光景と
映画的でない犯罪を「映画のネタ」として用いるスタッフ陣の勇気に
触れる機会をもたらしました。
(「犯罪を扱いながら警察を関与させない」
「主人公と仲間達の親を登場させない」という漫画的手法を
取り入れている点も見逃せません。)
まさに「穏健派学園サスペンス」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
浮世離れしたヒーロー&悪漢に背を向けて
「学生レベルの犯罪&謎解き」に徹し続ける姿によって
人間の持つ「他人の不幸を娯楽化する」本能に対する
無意識の皮肉を放つ作品となった本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。