映画に感謝を捧ぐ! 「栄光への脱出」

 映画感謝人GHMです。

 今回はオットー・プレミンジャー監督の「栄光への脱出」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 レオス・ユリスの小説「エクソダス 栄光への脱出」を

 もとにして作られた本作は

 精神力と戦術性を感じさせる歴史大作であります。 

 

 人員・物資・地形効果の限りを尽くして生成される「大作的スケール感」と

 総動員された娯楽要素の中に「政治的主張」を潜伏させたストーリーが

 一体となる光景は

 私に、正義の持つ「暴力誘発性」について考えさせられる機会と

 「史劇」において客観性を維持することが困難であることを

 思い知らされる機会をもたらしました。

 (勇壮さと偽善的ムードを兼ね備えた邦題と

 映画的盛り上げを廃した「奇襲的幕切れ」が

 作品の持つ苦味と怪しさを高めている点も見逃せません。)

 本作こそ「登場人物の言動&ストーリー展開」の是非について

 考えながら鑑賞する「能動的鑑賞法」を

 必要とする作品であると言えるでしょう。

 

 「イスラエル誕生」の舞台裏を一方的目線で写し出した物語が

  

 鑑賞者の「歴史に対する考え方」を試す本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。