映画に感謝を捧ぐ! 「二重結婚者」

 映画感謝人GHMです。

 今回はアイダ・ルピノ監督・出演の「二重結婚者」に

 感謝を捧げようと思います。

 危険な秘密を抱えながら生きる男「ハリー・グラハム」と

 彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 悪役を一切登場させることなく

 現代社会に潜む「危険」を描くことに挑んだ挑戦作であります。

 ビジネスマンの孤独と夫婦関係の揺らぎに付け入る「見えざる魔の手」が

 男女3人にもたらした悲劇を

 

 過激な性描写を一切用いることなく描こうという試みは

 私に「1950年代的映画倫理」の枠内で背徳的人間関係を写し出す妙技と

 愛情に宿る「危険要素」を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (明確な結論を提示しない幕切れによって

 鑑賞者に「思考する時間」を与えている点も見逃せません。)

 まさに「純愛系不倫映画」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 殺人事件&組織犯罪とは異なるサスペンス性と

 愛憎劇とは一味違う人間模様に満ちあふれた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。