映画に感謝を捧ぐ! 「マドモアゼル」

 映画感謝人GHMです。

 今回はトニー・リチャードソン監督の「マドモアゼル」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 小さな村に住む女性教師マドモアゼル」と

 彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 文学的狂気に彩られた悪女映画であります。

 抑圧された性的本能によって「村を脅かすモンスター」と化したヒロイン

 魅力的な風貌と奔放な行動によって孤立化していく男

 不器用な純愛に苦しめられる少年の姿を

 巧みに抽象化された暴力&性描写と

 「心情の台詞化」を最小限度にとどめる作劇法によって描くという試みは

 私に、想像力を刺激させられる感覚と人間の心中にある「モンスター」の恐怖を

 同時体感する機会をもたらしました。

 (ホラー映画や探偵映画とは異なる形で「閉鎖的状況の恐怖」を描いている点や

 愛憎渦巻く幕切れによって「作品の味わい」を高めている点も見逃せません。)

 まさに「純文学&社会論系モンスター映画」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。 

 愛・暴力・退廃・社会性が絶妙のバランスで共存する本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。