映画に感謝を捧ぐ! 「沈黙のジェラシー」

 映画感謝人GHMです。

 

 今回はジョナサン・ダービー監督の「沈黙のジェラシー」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 

 田舎町の牧場で繰り広げられる愛憎の日々を描いた本作は

 陰謀劇と家族劇の持ち味を融合させることによって

 生を受けた作品であります。

 家族間における対立構造の一つ「嫁姑の対立」を

 技巧的映像表現とサスペンス風味の音楽を駆使することによって

 犯罪映画の領域へと高めようという試みは

 私に、愛情の持つ「犯罪誘発要素」・「人の不幸を娯楽化する」エンターテインメントの宿命

 1960年の映画「サイコ」でも描かれた近代的家族関係の暗部

 暴力の増幅性について思いをはせる機会をもたらしました。

 (犯罪サスペンス的な展開でありながら「殺人シーン」が存在しない点と

 派手な残酷描写やアクションに依存しない「穏健な決着」が

 作品の庶民性をより鮮明なものにしている点も見逃せません。)

 まさに「陰性ホームドラマ系サスペンス」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 庶民的ムードと犯罪映画的テクニックが奇妙なバランスで共存する本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。