映画に感謝を捧ぐ! 「アパートの鍵貸します」
映画感謝人GHMです。
今回はビリー・ワイルダー監督の「アパートの鍵貸します」に
感謝を捧げようと思います。
保険会社に勤める主人公「C・C・バグスター」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
ファンタジーとリアルの間を華麗に舞う恋愛喜劇であります。
喜劇性と風刺性が絶妙のバランスで配合されたストーリー
数学的計算に基づいて生成されたユーモア
不幸な境遇をコミカルに表現する技術力
生活感あふれる舞台&キャラクター
俳優・女優陣の「善悪合わせ持つ」名演
多彩にして上品な音楽が一体となる光景は
私に「人生に潜むドラマの種子」・「浮世離れした設定に現実感を持たせる技法」
「現実には颯爽たるヒーローも明瞭なる悪役も存在しない」ことを
体感する機会をもたらしました。
(王道的ハッピー・エンドをクールに処理する事によって「感動誘発臭」を
緩和している点も見逃せません。)
まさに「社会派人情喜劇界」の歴史に輝く強豪作であると言えるでしょう。
善悪の二元論で割り切れない人々が
ユーモラスに「現代社会の光と闇」をえぐり出す姿に圧倒される本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。