映画に感謝を捧ぐ! 「アトミック・ハリケーン」

 映画感謝人GHMです。

 

 今回はフレッド・オーレン・レイ監督の「アトミック・ハリケーン」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 コンピューターの暴走によって原子力発電所に閉じこめられた

 人々の運命を描いた本作は

 軽量映画的ハッタリ精神と戦術性に彩られた作品であります。

 「2001年宇宙の旅」・「チャイナ・シンドローム」・「ダイ・ハード」等の手法を拝借し

 死傷者をほとんど出すことなくパニック系SF映画を作るという

 大胆不敵な挑戦は

 私に「複数要素をバランス良く配合すること」の難しさを再認識する機会と

 危機的状況が人間関係を修復する光景を目の当たりにする時間をもたらしました。

 (肩すかし的な「台風」の使い方や

 ハッピー・エンドでありながら「万事解決の爽快感」を感じさせない

 幕切れとなっている点も見逃せません。) 

 まさに「穏健派パニック・ムービー」と呼びたくなる作品であるといえるでしょう。

 自然災害とメルトダウンの危機を題材にしているにもかかわらず

 緊張感の薄いストーリー展開が

 「社会風刺」の1形態と化していく姿に驚かされる本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。