映画に感謝を捧ぐ! 「キートンの歌劇王」

  映画感謝人GHMです。

 今回はエドワード・セジウィック監督の「キートンの歌劇王」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 一人旅を始めた大学教授と歌劇団の出会いがもたらした

 珍騒動を描いた本作は

 二つの過渡期が交錯するドタバタ喜劇であります。

 慣れ親しんだ大学を離れ「外の世界」へと向かった教授の姿と

 サイレント芸&クールな風貌を保ちながら「トーキー映画の世界」に突入したB・キートン氏の姿が

 物語と演技者の枠を超えてつながっていく光景は

 私に「伝統芸と新時代」が平和的共存を求めて歩み寄る感覚を

 体感する機会をもたらしました。

 (「ドタバタ喜劇的ハッピー・エンド」へのこだわりと

 「舞台的手法を映画的に応用する」知略を兼ね備えた幕切れとなっている点も

 見逃せません。)

 まさに「虚実交わるドタバタ喜劇」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 「主演男優の個性」を余すところなく活用したキャラクター造形と

 「場の勢いによってすべてを納得させる」喜劇力に満ちあふれた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。