映画に感謝を捧ぐ! 「スキャナーズ」

 映画感謝人GHMです。

 今回はデヴィッド・クローネンバーグ監督の「スキャナーズ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 超能力者「スキャナー」の闘いを描いた

 人気シリーズの1作目となる本作は

 外見以上の深みを感じさせるSF映画であります。

 視覚的インパクトを段階的に増幅させる人体破壊描写

 キャラクターの周辺で「複数の機械的音声」を同時発動させる音響描写

 敵将に扮したM・アイアンサイドの異様な存在感

 

 コミック・ムービーの王道要素と

 ヒーローと悪役を「同類」とする宗教的発想が一体となることによって

 生を受けたストーリーが一体となる光景は

 私に「漫画的表現を違和感なく実写化する」醍醐味を満喫する時間と

 ホラー的残酷描写と哀愁が共存可能であることを再認識する機会を

 もたらしました。

 (単純な「勧善懲悪的決着」に走らず

 「結論を鑑賞者にゆだねる」幕切れへと着地することによって

 物語の可能性と鑑賞者の想像力を高めている点も見逃せません。)

 まさに「技巧的な凶暴さを持った超能力SF」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 音と人体破壊へのこだわりによって

 後年のSF映画界&漫画界に多大な影響を与えた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。