映画に感謝を捧ぐ! 「暴力脱獄」
映画感謝人GHMです。
今回はスチュアート・ローゼンバーグ監督の「暴力脱獄」に
感謝を捧げようと思います。
ドン・ピアースの同名小説をもとにして作られた本作は
他の刑務所映画とは異なる「奇妙な味わい」を持った作品であります。
さわやかな笑顔・タフな心身・無謀までに我が道を往く精神を
兼ね備えたことによって
世間にとけ込めない存在となってしまった主人公と
彼を取り巻く人々の「暴力的にして和やかな日々」を
冒険活劇的アクション・人間模様・ユーモアの限りを尽くして描くという試みは
私に「内なる反骨精神」を刺激される感覚
「子供の心を持った大人」の魅力&危うさ
自由がもたらす輝きと代償・肉体を駆使したアクション&人間交流の醍醐味を
体感する機会をもたらしました。
(善悪の二元論を超越した目線で登場人物を見つめる精神
P・ニューマン&G・ケネディの野性的にして繊細なる名演
場違いなまでに穏やかな自然&音楽
悲劇的でありながらも明るい後味を残す幕切れが
作品の個性&メッセージ性を高めている点も見逃せません。)
まさに「宗教映画&冒険映画風味の刑務所映画」と呼びたくなる
作品であると言えるでしょう。
生々しい暴力描写&自然描写と
娯楽&ユーモア精神を失うことなく「ハリウッド的倫理観」に抗う柔軟性によって
1960~70年代における「アメリカ映画革命」の一翼を担った本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。