映画に感謝を捧ぐ! 「ヘンリー&ジューン/私が愛した男と女」

映画感謝人GHMです。

 今回はフィリップ・カウフマン監督の「ヘンリー&ジューン/私が愛した男と女」に

感謝を捧げようと思います。

 

 アナイス・ミンの日記をもとにして作られた本作は

 アメリカ映画でありながらヨーロッパ映画の香りを感じさせる

 実話系映画であります。

 アブノーマルな男女関係&性行為に満ちあふれた物語を

 映像的インパクト&感動狙いに依存せず

 品格と文学的深みのある演出法を駆使して描くという試みは

 私に「下世話な営みを上品に表現する」妙技と

 「愛」という存在が持つ神秘性の一端に触れる機会をもたらしました。

 (場違いなまでに和やかな空気に包まれた幕切れ&後日談が

 人間という存在の奥深さを感じさせる点も見逃せません。)

 まさに「純文学系ポルノ」にして「性的サクセス・ストーリー」と呼びたくなる

 作品であると言えるでしょう。

 「1930年代のヨーロッパ」を覆う不穏な空気から逃れるかのように

 浮世離れした世界に浸り続ける人々の姿が

 魅惑と恐怖を呼び起こす本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。