映画に感謝を捧ぐ! 「大蜥蜴(おおとかげ)の怪」
映画感謝人GHMです。
今回はレイ・ケロッグ監督の「大蜥蜴(おおとかげ)の怪」に
感謝を捧げようと思います。
巨大トカゲの猛威にさらされた人々の運命を描いた本作は
「技巧的省力化」の妙技を堪能させてくれるモンスター映画であります。
対象の一部分のみを写す事によって、想像力をかき立てる表現法と
小道具を有効活用することによって
モンスターの質量を曖昧化する特撮的技法
残酷な場面を巧みに抽象化するサービス精神
各種人間模様&挿入曲を駆使することによってドラマ性をもたらし
モンスター不在による「物語の停滞化」を抑制すると同時に
「約1時間10分」の枠内に収めようとする作劇的工夫が一体となる光景は
手作り映像の味わいと
「モンスターSF映画的ハッタリ精神」の醍醐味を体感する機会をもたらしました。
(戦争映画と「恐怖の報酬」を融合させたかのような決着から
活劇的盛り上げ&感動狙いに依存しないクールな幕切れへと向かう流れが
作品の親近感を高めている点も見逃せません。)
まさに「合理主義と映画的ダイエット精神に満ちた怪獣映画」と
呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
パニック・ムービー&ホラーの定番に即して行動するキャラクターと
ある種のユーモアセンスを感じさせるモンスター&破壊描写に心癒される本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。