映画に感謝を捧ぐ! 「スパイ・コード 殺しのナンバー」

映画感謝人GHMです。

 今回はカスパー・バーフォード監督の「スパイ・コード 殺しのナンバー」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 何者かに命を狙われた諜報員&暗号送信員の運命を描いた本作は

 2010年代の「スパイ映画事情」をクールに描いた作品であります。

 スパイアクション特有の「陰謀・戦闘・爆発」を着実に押さえながら

 陰鬱さと冷徹さに満ちたストーリー&アクションが生成されていく状況は

 私に「冷戦構造の崩壊」がスパイ活劇に与えた影響と

 陰謀渦巻く世界に生きる人間を襲う「精神的圧力」を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (ハッピー・エンドの形態を取りながら「爽快感&明瞭感」皆無という幕切れが

 2010年代の世界を覆う「混沌」を体現している点も見逃せません。)

 まさに2010年代流「陰性スパイ映画」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 「壮大なる陰謀劇のふりをしながら、限定された空間での闘いを描く」作劇法と

 巨大諜報機関の歯車として生きる主人公&ヒロインの葛藤が

 奇妙な味わいを生み出した本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。