映画に感謝を捧ぐ! 「暗黒街の顔役(1932年版)」

映画感謝人GHMです。

 今回はハワード・ホークス監督の「暗黒街の顔役(1932年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 アーミテージ・トレイルの原作をもとにして作られた本作は

 1930年代の枠内で「ハリウッド的倫理観」に抗った過激作であります。

 組織犯罪の世界において「覇者」となった男の栄枯盛衰を

 人間社会に潜む「悪」を総動員したストーリー

 西部劇の戦闘場面を近代的兵器&乗り物によって加工したかのようなアクション・シーン

 凶暴でありながらも哀愁漂う主人公

  

 H・ホークス監督作ならではの豪華絢爛たるヒロインを駆使して描くという挑戦は

 私に「組織犯罪の内幕をのぞき見る感覚」と

 勧善懲悪劇では表現できない「悪徳のスリルと空虚」を

 同時体験する機会をもたらしました。

 (冒頭の申し開き的メッセージや

 後年の「スカーフェイス」とは一味違う教訓劇的な幕切れが

 1930年代の「限界」を体現している点も見逃せません。)

 本作こそ「極道映画&犯罪映画界」の偉大なる道しるべと

 呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 1960~70年代のアメリカを覆う「映画反抗期」に先んじて

 アメリカン・ドリーム&アメリカ社会の暗部をえぐり出す過激さに

 圧倒される本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。