映画に感謝を捧ぐ! 「死体を売る男」
映画感謝人GHMです。
今回はロバート・ワイス監督の「死体を売る男」に
感謝を捧げようと思います。
ロバート・ルイス・スティーヴンソンの小説をもとにして作られた本作は
猟奇性と社会性が奇妙なバランスで共存する怪作であります。
死体泥棒・殺人といった猟奇要素と
「医学の暗黒面」・「医療関係者を蝕む精神的落とし穴」をえぐり出す社会派要素が
一体となる光景は
私に「見せ物性と社会風刺が共存可能である」事と
「心技体の均整を失った人間の悲劇」を目の当たりにする機会を
もたらしました。
(潜在意識論を駆使して「ハリウッド流ハッピー・エンド」を
皮肉るかのような幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「社会派怪奇映画」の1形態を世に示した作品であると言えるでしょう。
現代以上に強固な映画倫理の枠内で怪奇&精神的恐怖を
生み出すことに挑んだ勇気ある作品の一つであると同時に
多種多様な題材を扱いながら、常に「生真面目性」を保ち続ける
R・ワイス監督の持ち味が炸裂する作品でもある本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。