映画に感謝を捧ぐ! 「三十九夜」

 映画感謝人GHMです。

 今回はアルフレッド・ヒッチコック監督の「三十九夜」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 ジョン・バカンの小説「三十九階段」をもとにして

 1935年に作られた本作は

 後年の映画界に多大な貢献を果たした「巻き込まれ映画」であります。

 「クリーンな善人とは評しがたい主人公」・「残酷でありながらも紳士的な悪役」

 「映画的ゴージャス感あふれるヒロイン」・「絶妙のタイミングで繰り出されるトラブル」

 「ご都合主義的状況を戦術的且つ軽やかに見せることによる(突っ込み目線生成)の阻止」

 「ホラーとサスペンスの持ち味を程よく混ぜ合わせた演出&音楽」によって

 浮世離れした状況を「スリルと説得力のある物語」へと変化させていく妙技は

 私にアクション&サスペンス映画を形成する「定番要素」の源流に接する機会と

 華麗にして意地悪な陰謀劇&ユーモアを満喫する機会をもたらしました。

 (「善行によってトラブルに巻き込まれる状況」を娯楽色豊かに表現し

 記憶障害の一形態を「陰謀の道具」として活用する意地悪な知性&先見性

 ブラック・ユーモア色満載の「最終決着」

 万事解決のハッピー・エンドでありながらも哀愁漂う幕切れが

 作品のスリルと味わいを高めている点も見逃せません。)

 まさに「歴史遺産系サスペンス」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 情緒・ロマンス・時事性を最小限度にとどめ

 「巻き込まれサスペンス」本来の持ち味で

 真っ向勝負を挑む精神が心地良い本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。