映画に感謝を捧ぐ! 「インテリア」

映画感謝人GHMです。

 今回はウディ・アレン監督の「インテリア」に

 感謝を捧げようと思います。

 

  ロングアイランドの1角に住む5人家族の運命を描いた本作は

 W・アレン監督作最大級の「精神的残酷さ」を誇る異色作であります。

 芸術家的思考によって「絵画的家族」を築こうとした母親と

 父子の間に発生した「溝」が

 段階的に広がっていく事がもたらす「家族の終焉」と

 理想と現実の差・世代&思想の相違による軋轢を

 冷徹なる目線で描いたストーリーを

 W・アレン流ユーモア&娯楽的盛り上げを抑制し

 神経症的な部分に特化したクールな表現法で

 映画化するという試みは

 私に「芸術的狂気」の1形態と

 性別・世代の枠を超えた「絆」を保つことの難しさを

 目の当たりにさせられる機会をもたらしました。

 (悲劇的でありながらも「安らぎ」を感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。) 

 まさに、純文学系の「陰性ホームドラマ」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 映画全体を支配する「母親」の存在感と

 家族関係に対する冷徹なる目線に圧倒される本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。