映画に感謝を捧ぐ! 「チャップリンの寄席見物」
映画感謝人GHMです。
今回はチャールズ・チャップリン監督・主演の「チャップリンの寄席見物」に
感謝を捧げようと思います。
フレッド・カーノーの舞台「唖鳥」をもとにして作られた本作は
コント的映像の中に「哲学」の匂いを感じさせる作品であります。
舞台公演における「アクシデントの連打」を通じて
映画鑑賞と舞台見物の相違点と
エンターテインメントが背負う「他者の不幸を娯楽化してしまう宿命」を
描くという試みは
私に、舞台が「演者と観客が一体となって盛り上げていく場所」であるという
真理に触れる機会と
「ドタバタ喜劇の持つ思想的可能性」について
考えさせられる時間をもたらしました。
(「貴賓席と一般席を均等に写す」ことによって
物語に現実感を与えている点や
前触れなく訪れる「幕切れ」が人生の不確実性を体現している点も見逃せません。)
まさに「舞台見物感覚を映画に転換した」作品であると言えるでしょう。
サイレント喜劇ならではの「肉体言語的笑い」と舞台芸への愛情が
サスペンス映画とは異なる形態の「先読み困難なストーリー」と
人情と不人情が交錯する笑いを生み出した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。