映画に感謝を捧ぐ! 「デストロイ8.8」
映画感謝人GHMです。
今回はセバスチャン・レリオ監督の「デストロイ8.8」に
感謝を捧げようと思います。
2010年のチリにおける実話をもとにして作られた本作は
「娯楽映画」への皮肉に彩られた実話系災害映画であります。
震災によって崩壊した世界を
淡々と彷徨い続ける主人公の姿と
ホラー的でありながらも穏やかな雰囲気に包まれた風景が一体となる光景は
私の心中に宿る「人の不幸をエンターテインメント化する」精神性と
「英雄による軽やかな解決を求める」本能に
静かなる刃を突きつけられる感覚をもたらしました。
(宗教映画色の強い挿入曲とクールな残酷さに包まれた終幕が
作品の毒性を高めてる点も見逃せません。)
まさに「アンチ・ヒーロー系パニック・ムービー」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
1960~70年代のアメリカにおける「映画反抗期」に近しい空気と
エンターテインメントに対する反骨精神が
私の心身を刺激する本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。