映画に感謝を捧ぐ! 「ドラゴン危機一発」

 映画感謝人GHMです。

 今回はロー・ウェイ監督の「ドラゴン危機一発」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 

 製氷工場の背後に潜む麻薬組織に立ち向かう

 主人公の運命を描いた本作は

 荒々しさの中に文学性を秘めた格闘技映画であります。

 「アクション・シーンを見せるための口実」臭漂うストーリーであるにもかかわらず

 人間を堕落させる戦術・苦悩するヒーロー・暴力の増幅性といった

 2010年代にも通じるテーマを先取りするという映画史的快挙は

 私に「暴力に善悪の隔てなし」という法則を再認識させられる状況と

 

 「娯楽的爽快感と文学的テーマの平和的共存」の1形態に触れる機会を

 もたらしました。

 (主演男優B・リーの動的カリスマ性、悪辣でありながらもフェアな闘いを心がける悪役

 「勝利によってすべてを正当化する」手法に背を向けて

 暴力の代償を支払わせる幕切れが

 単純明快な物語に苦味と現実感を与えている点も見逃せません。)

 まさに「暴力論&人間論的アクション映画」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 

 卓越した身体能力と手作り感あふれる残酷描写によって

 漫画的ストーリー&アクションに実写的説得力を与える姿に圧倒される本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。