映画に感謝を捧ぐ! 「炎のランナー」

映画感謝人GHMです。

 今回はヒュー・ハドソン監督の「炎のランナー」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 ハロルド・エーブラムズ&エリック・リデルの生涯を

 もとにして作られた本作は

 アクションよりも精神に重きを置いた

 異色の「実話系スポーツ映画」であります。

 「オリンピックの覇者となった陸上選手2人の人生」を通じて

 人間社会が抱える「軋轢・葛藤」のすべてを写し出すことに挑んだストーリーと

 スポーツ映画でありながら文芸映画的ムードに彩られた映像&音楽が

 融合することによって生じる「映画的化学反応」は

 私に「オリンピック&英国社会の舞台裏をのぞき見る」感覚と

 スポーツ映画の持つ可能性の一端に触れる機会をもたらしました。

 (スター性を抑制した堅実な俳優・女優陣と

 映画的クライマックス→静かなる幕切れという流れが

 作品の深みと説得力を高めている点も見逃せません。)

 まさに「歴史書&純文学型スポーツ映画」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 「気高さと傲慢さは紙一重の存在である」・「信念を貫くことの尊さ&非情さ」

 「強者の輝きと苦悩」を体現する本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。